相続放棄を考えている実家は、解体契約や大量の家財処分を先に進めず、相続財産と債務を調べたうえで家庭裁判所の手続や法律相談を優先してください。 財産への行為が相続承認と評価されるかは個別事情で変わり、この記事だけで可否は判断できません。安全確保のための応急措置と、売却・解体のような処分は分けて記録します。
裁判所は、相続人が相続開始を知ったときから3か月以内に、単純承認、相続放棄、限定承認のいずれかを選ぶと案内しています。3か月で資料がそろわない場合は、家庭裁判所へ相続の承認・放棄の期間伸長を申し立てられる制度があります。解体見積を取ることより先に、期限と相談日をカレンダーへ入れましょう。
最初に止める行動と、止められない安全対応を分ける
空き家の屋根材が落ちそう、窓が割れて侵入できる、漏水が続くといった危険は放置できません。ただし、建物全体の解体、価値のある家財の売却、預金の使用などは、相続の判断に影響し得るため、自己判断で進めない方が安全です。緊急対応が必要なら、現状写真、連絡日時、誰の依頼で何をしたか、費用を記録し、必要最小限の保存行為かを専門家へ確認します。
| 行動 | 今すぐの扱い | 残す記録 |
|---|---|---|
| 解体工事の契約・着工 | 法律相談まで保留 | 見積書、契約案、建物名義 |
| 家財の売却・廃棄 | 価値と所有関係を確認するまで保留 | 室内写真、品目、査定資料 |
| 危険箇所の応急養生 | 人命・近隣安全を優先し必要最小限 | 施工前後写真、理由、領収書 |
| 固定費や請求の確認 | 支払方法を決める前に債務一覧へ記録 | 請求書、契約名義、期限 |
「片づけだけだから大丈夫」「解体費を自分で払うなら問題ない」と一律には言えません。建物・土地の名義、他の相続人、家財の価値、放棄申述の前後で評価が変わる可能性があります。相談時に具体的な行為を説明できるよう、まだ実行していない計画も書き出します。
3か月の起算日と財産・債務を確認する
まず、亡くなった日だけでなく、自分が相続人になったことを知った日を整理します。次に、不動産登記事項、固定資産税関係書類、預貯金、借入れ、保証債務、未払い費用、賃貸借、保険、家財などを一覧にします。郵便物を捨てず、封筒ごと日付順に分けると、債務の手掛かりを失いにくくなります。
裁判所の手続ページには、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍など、立場に応じた標準書類が案内されています。すべての戸籍が申述前に入手できない場合、申述後に追加提出できる場合があるとの記載もあります。書類収集が遅いことだけで期限を過ぎないよう、管轄家庭裁判所へ確認してください。
放棄後も「何もしなくてよい」とは限らない
法テラスは、2023年4月1日以後、相続放棄時に現に占有している相続財産について、次の相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存する義務があると説明しています。誰が鍵を持ち、誰が建物を管理しているかを曖昧にしないことが大切です。
相続人全員が放棄する予定でも、建物の危険が自動的に消えるわけではありません。次順位相続人への連絡、相続財産清算人の検討、自治体の空き家相談など、管理を引き継ぐ方法を専門家と整理します。放棄受理通知を受け取ったことを、解体の自由な許可と読み替えないでください。
一宮市の相談窓口は内容別に選ぶ
一宮市は、空き家の売買・管理・解体・税・法律を含む総合相談、管理や解体の相談、相続登記や遺産分割の相談など、関係団体の窓口を案内しています。無料相談の範囲は団体ごとに異なるため、予約時に「相続放棄を検討中で、実家の解体を契約してよいか確認したい」と具体的に伝えます。
一般的な相続の進め方は「相続が終わっていない実家を解体できる?最初の相談先」も参照できます。今回は相続放棄の期限と財産への行為が中心なので、弁護士や司法書士へ現在の占有・管理状況まで説明してください。
解体見積は法的整理の後、同じ条件で取る
解体してよい権限と相続方針が確認できたら、建物、付帯物、残置物、アスベスト事前調査、ライフライン、滅失登記に必要な書類を分けて見積を取ります。相続人間の同意や名義確認を施工会社へ曖昧に伝えず、契約者と所有者の関係が分かる書類を準備します。
次の行動は3つです。①相続を知った日と3か月期限を確認、②財産・債務・現在の管理行為を一覧化、③解体や処分を契約する前に家庭裁判所と法律専門家へ相談。
相続方針と契約権限が専門家確認で整理できた後に、建物・家財・付帯物を分けた解体見積が必要なら、現地条件と書類をそろえて相談してください。
確認した一次情報
本記事は一般的な情報で、個別の法律判断ではありません。2026年8月19日時点の公式情報を確認し、期限が近い場合は記事より相談を優先してください。



