実家の庭で古井戸や井戸ポンプを見つけたら、解体時に重機で押しつぶさず、位置、深さ、用途、現在の使用、届出履歴を先に確認します。 家庭の散水井戸、飲用の自己水施設、事業用の揚水井戸では関係する管理や報告が同じとは限りません。使っていないように見えても、配管が建物へつながる、近隣と共用する、許可・計画書の対象だった可能性を調べます。

愛知県は、小口径井戸の設置計画を提出した人向けに、変更・廃止・名称変更・承継の報告様式を公開しています。また、井戸等自己水施設の維持管理要領も案内しています。すべての家庭井戸に同じ届出が必要という意味ではないため、井戸の口径、動力、用途、所在地、過去の書類をそろえ、該当制度と相談先を確認します。

見つけた井戸を壊さず情報を集める

確認項目現地で記録すること家族へ聞くこと見積への反映
位置建物・境界からの距離以前の庭配置重機経路と養生
形状井筒・蓋・ポンプ・配管掘削時期・深さ撤去か保護か
用途散水・飲用・事業利用の痕跡最後に使った時期水抜き・水質相談
電気ポンプ電源・盤・配線契約や故障歴電気切離し
書類銘板・許可番号・図面届出・報告の記憶所管照会と廃止記録

井戸の蓋が不安定でも、自分で開けて深さを測ろうとしません。転落、酸欠、崩落、ポンプ配線の感電などがあるため、周囲へ立入防止を置き、位置と外観を写真に残します。古い手押しポンプだけが飾りとして残り、地下の井戸が別位置にある例もあるため、配管の方向と家族の記憶を照合します。

登記事項や通常の住宅図面だけでは井戸が分からないことがあります。売買時の重要事項説明、リフォーム図面、電気工事資料、水質検査票、県や市へ提出した書類、ポンプ交換の領収書を探します。書類がない場合は『届出なし』と決めつけず、所在地と分かる範囲の仕様を窓口へ伝えて照会します。

残す場合と廃止する場合で工事を分ける

井戸を散水や災害時用として残す計画なら、解体重機からの保護、仮設フェンス、ポンプ電源、配管切離し、解体中の濁り・破損時対応を決めます。建物解体に散水が必要でも、井戸水を当然に使えるとは限りません。水量、ポンプ状態、近隣への影響を施工者が確認し、使わない場合は上水道の仮設利用を別に計画します。

廃止する場合は、井筒だけを地表で塞ぐのか、ポンプ・配管を撤去し、内部を適切な材料で埋め戻すのか、施工範囲を見積へ明記します。環境省の工業用水法関係通知では、規制対象井戸の取水廃止時に埋戻し等を行う考え方が示されていますが、家庭井戸へそのまま当てはめるものではありません。該当制度と地盤条件を確認し、施工者・所管の指示で方法を決めます。

届出対象かは用途・仕様・過去の手続から確認する

愛知県の小口径井戸関係様式は、設置計画を提出した井戸の変更・廃止等を対象にしています。過去の所有者や事業者名で届け出られている場合、実家の相続や事業終了後も書類が残っていないことがあります。家庭用だから不要、古いから記録がない、と断定せず、口径、揚水設備、用途、使用量を分かる範囲で整理します。

飲用していた井戸は、工事前まで使い続けるか、飲用を止めるかも家族で確認します。自己水施設の維持管理と水質は、井戸がある事実とは別の問題です。解体工事で周囲を掘削すると濁りや破損の可能性があるため、飲用安全性を見た目で判断しません。残す井戸でも、工事後に配管や蓋の状態を再点検します。

解体見積には井戸工事の記録まで入れる

見積では、井戸調査、ポンプ・電源・配管切離し、井筒処理、埋戻し材、重機、発生材処分、届出支援、施工写真を分けます。『井戸一式』では、残す部分と撤去する部分、地中でどこまで処理したかが分かりません。工事前、途中、完了後の写真と使用材料、深さを引渡書類に残します。

境界近くの井戸なら、道路・隣地との境界確認も先に行います。水道については、解体前の停止と散水用継続を別に決めます。井戸と上水道の配管を混同すると、誤切断や工事中の水不足につながります。

着工前の次の行動

①井戸を開けず位置・形状・配管を記録、②用途・仕様・届出履歴を家族と公的窓口で確認、③残す・廃止の工法、届出、写真記録を解体見積の別項目にします。

実家解体の現地調査では、古井戸の写真と位置図、家族が覚えている用途、残すか迷っている理由を先に共有すると、建物本体と地中設備の見積を分けやすくなります。

確認した一次情報

井戸の届出・報告、廃止方法、飲用管理は、用途、口径、動力、所在地、過去の許可等で異なります。2026年9月22日時点の公的資料を手掛かりに、施工前に愛知県・一宮市等の所管へ個別確認してください。